本田未央の『居角左美濃』考察
やっほー!本田未央だよ!美嘉ねえ達とカラオケ研してきた帰りなんだ。えへへ~
ずっと将棋を指して、疲れたら歌を歌うんだけど、負けても歌ったらリフレッシュ出来るからいいかもね!
あと、これを書いてるのは3月11日なんだけど、つまり囲碁のイ・セドル九段とAlphaGoに二局目が終わった翌日なんだよね。
結果はAlphaGo二連勝! と、これは衝撃的な出だしだよね!
人工知能が人類を凌駕するっていうのは……まあ言っちゃうと私の暗算より電卓の方が計算が速くて正確なわけで、そういうことは昔から色んな分野で起こってたことだと思うんだけど、それがまた一段か二段深い、複雑な分野で起こったってことなのかな?
この調子で人工知能が進歩していくと、いつかの未来には私達の衣装もコンピューターがデザインして、歌う曲もコンピューターが作詞作曲した曲、みたいなこともありうるのかもね~。モーツァルトの楽譜のデータを取り込んで何かうまいことしてさ!
うーん。それはそれで、コンピューターが作った曲も歌ってみたいかな~
その時に作曲家、作詞家は職を失ってるかって?
んー……どこがどうなるかは実際にそうなって見てないと分からないよね。
消えちゃう職種もあればそうならない職種もあるんじゃないかな?
そりゃ当たり前でしょって、そうなんだけどね~
これから、色んな業界がふるいにかけられていくんだろうね。
それ自体はいつの時代でも色んな事情で起こってることだしさ。
でも、チェスのプロがソフトに強さを追い抜かれても存続してるから、囲碁将棋も大丈夫……っていうのも、ちょっと違うんじゃないかなって思うよ。
将棋そのものはなくならないだろうけど、プロ制度が永遠かは分かんないよね。
だからこそ、今を生きる私達が将棋の魅力をどんどん発信していかないと!
まあ、そこまで心配する必要もないと思うよ!
プロがプレイする囲碁も将棋も間違いなく面白いし感動できるから、そこは自信を持って! ねっ?
なーんて、えへへ。私が真面目なこと言ってるから驚いてる?
未央ちゃんだってたまにはそういうことも言いますよ!
まあほとんどふみふみから借りたSF小説の受け売りなんだけどね!
さて、今回のテーマは『居角左美濃』!え、観戦記じゃないのかって?
うん。まあたまにはこういうのもいいかなって。
『居角左美濃』は人間というよりソフトが得意にしてる作戦なんだけど……先日千田先生が自身の研究ファイルを公開したの、知ってるかな?
(ファイル)という名称のフォルダに、Aperyなどで作成した手順を入れました。
— Shota Chida (@mizumon_) 2016年2月24日
手が加わったものから途中図から指させただけのものまであります。ファイル数が多いので、興味のあるものだけ取っていただければと思います。https://t.co/LY3QTVb4Gw
今日はこの中にある居角左美濃の個人的に気になった変化について考えてみようかなと思ってね!
千田先生、ありがとうございます!
えーっと……。
でもねー、私ってソフト関連はあんまり……というか全然詳しくなくってさ。NPSとかノード数がなんちゃらって言われてもちんぷんかんぷんだし、floodgateの将棋もほとんど見たことないんだよね~。あはは……。
ただ、AlphaGoは世界で注目されてるし、せっかく千田先生が研究ファイルを公開してくれたんだし、別の事務所で私が居角左美濃指してたし、そういう状況でしょ?
分からないからスルーするんじゃちょっと勿体ないかなーって思ってさ。良い機会だと思ってここはひとつ勉強してみようかなと思いまして!ハイ!
今回はそんな感じで見て貰えると嬉しいな!
まず居角左美濃がどんな作戦かというと、この記事を見て貰えば分かりやすいね!
素晴らしい記事だから、これさえ読んで貰えば私から言うことは何もないんだけど……だめ?
じゃあ一応かるーく流していくよ!
後手の基本形はこんな感じだよ!
見ての通り、後手がささっと左美濃に囲って、角は2二の居角状態だね。
だから居角左美濃!うーん、そのまんまだね!
そんな状態からさくっと仕掛けてこんな感じ。
これでもう先手困ってるんだって!
はあ?
いやいや、そんなバカな!?
って思うよね?私もそう思ったなあ。
だけどこの将棋はこれから……
こうなって……。
こうなって……。
こうなるんだよねえ。
8筋と6筋だけで手を作られて、先手の矢倉が吹き飛んじゃった。
感想戦によると先手は2筋の歩交換で手が遅れたの敗着なんだって。
いやー、びっくりですね!
サイキック・ビックリですよこれは!
……と、いうわけで、先手としてもしっかり対応を考えないといけないわけ。
それじゃあ早速研究ファイルを覗いて見よっか!
とは言っても量がとんでもないし、私にはそのうちどれが重要なのかもよく分かんないから、個人的に興味があるのを適当に見ていくだけだよ!
この変化はどうなの?って思った人は千田先生のdropboxをチェックだ!
はいっ!まずこれ!
先手がウサミンで、後手が私だね-!へっへー!
分かる人には分かるかな?この動画だよ!
盤上のシンデレラ ~本田未央は純文学を破壊する~ 第12局 ‐ ニコニコ動画:GINZA
具体的な内容や課題局面はこっちを見てね!ということで、現局面だけ考えるとウサミンが居玉のまま▲4六角型を作って7筋に反発してるんだね。
私もウサミンには将棋の話をよく聞くんだけど、それが凄い面白いんだよね!
それにしてもよくあんな昔の話に詳しく……ん、な、何か悪寒が……。
あ、いや!何でもない!何でもないよウサミン!
………
……
ふう~、びっくりした。いたんだねウサミン……。
えーっと、動画内ではここで私が△4五歩と突くか△6三金と桂頭をケアするかで悩んでるんだけど、千田先生の研究ファイルでは、△6三金の一手になってたよ。
基本的に戦場が8~6筋になるわけだから、桂頭をケアしながら攻めを手厚くできる△6三金は損な手ではない、って判断なのかもしれないね。
実際、全く違う流れでも居角左美濃において△6三金とすることは普通にあるみたいだしね。
あと違う手順できて先に△6三金と指してからここに合流する状況もあり得るから、この局面で後手を持って△6三金で良くすることにも意味があると思うよ。
ちなみに、動画内で謎に終わった△4五歩の成否は…………君自身の手で調べるんだ!
はい。そういうわけで、ちょっと進んでこの局面!
動画内だとウサミンの次の一手は▲5七銀だったかな。
研究ファイルでの候補手は▲6九玉ともう一つで、▲6九玉は▲5七銀の手順に合流するからそっちは別にいいんだけど、もう一つの手は何だと思う?
正解は▲7五歩!
遊ばせたい金に先手から働きかけに行ったよ!
しかもそこから△同 金▲7六銀△同 金▲同 金 と守りの桂をぶつけて交換。
いやあ、驚いたねえ。
何が何でも桂頭をいじめようってことなのかな?
なかなか見えない手だよね。
実際、居角左美濃の右桂頭は急所なんだろうけどね。動画内でもここから攻められて私が困ってる局面がいくつもあったし。
ちなみに△4五歩 ▲同 桂△4四銀で研究ファイルは終わってるけど、もうちょっと続き考えてみると……
▲5三桂成△同銀▲7四歩は次の△4二飛の味がよくてこれは後手持ちかな。
飛車切られたあとの陣形差がそのまま形勢差って感じ?
この状態で後手に絡まれたらちょっと切らせないかなって思うなあ。
他にも、細かく変化は出来るけど、41手目▲7五歩は結局後手がよさそうかなあ。
そういうわけで、居角左美濃に対して先手はかなり早い段階で方針を決めないといけないってことが分かったかな?
後手は無駄な手を一つも指さずに最速最短で来てる感じだからね!
と、いったところで局面を遡るよ!
どこまで戻るかどこまで戻るか~!
まあ、ここら辺だね!
居角左美濃対策を練るにあたって、色々考えるんだけどさ。
一つ疑問として、3一玉型の左美濃に引き角ってそこまで有効なのかなっていうのがあるんだよね。▲4六角で後手の攻撃陣を牽制するのも、どちらかというと後手の発想のような気がするしね。
だから先手は▲7七角型でしまむー頑張りますっていうのが一つ。
そして、▲5七銀型を作れば後手も一気に攻めかかるのは大変なんじゃないかなっていうのがもう一つ。
そういうわけで△8五歩には▲7七角!
△5二金に▲5七銀として……。
未央ちゃん的には居角左美濃にはこの局面を軸に対策を練っていこうかなって考えてるよ!
次に後手が△3三角としてきたら、▲3六歩とてでもして角頭を攻めるのを見せておけば、△4四歩~△5一角とするくらいしかなくなるから、そうなればもう普通の力戦矢倉だね。
それはそれで一局として、気になるのはあくまで△7三桂と突っ張ってきた場合。
△7三桂▲7九玉 △5四銀 ▲6七金右
気分的には▲6七銀で雁木にしたくて、それもあるとは思うんだけど、▲6七金右の方が手厚いかな。
さっすがにね。
さーすーがーに、この先手陣にちょっかい出してきたりしないでしょ!
後手が速攻を諦めて△3三角としたところで例によって▲3六歩だね。
△3三角▲3六歩△4四歩▲3五歩
△4四歩が入ると先手角の形を咎めて△6五歩としてくるかもしれないから、もうここで▲3五歩と仕掛けるよ。
△同 歩 ▲4六銀 △3六歩 ▲3八飛 △8六歩 ▲同 角△4五歩 ▲3五銀
自然に進めるとこうかな?
ここで△8六飛は……。
△8六飛 ▲同 歩 △6五歩 ▲3四歩 △2二角 ▲2四歩 △同歩 ▲6一飛
これは先手がいいみたいだね。
ぶっちゃけた話、先手がはっきり良くなる変化ってあんまりないから、これ結構貴重だよ!
だから△40手目は単に△6五歩だね。
△6五歩 ▲3四歩 △2二角 ▲2四歩△同 歩 ▲7七角 △6六歩 ▲同 角 △同 角 ▲同 金△4三金▲7七角 △2二角▲3六飛
以下、ざーっと進めて例えばこんな感じ。
形勢は難解かな? ここまでくるなら先手を持ってやってみる価値はあるんじゃないかな。
でもここら辺は変化の余地が豊富だから、この流れだけが本筋だとはとても言えないんだよね~。
とりあえずこういう進行がありましたよっていうことで、興味のある人は違う変化も調べてみたらいいと思うよ!
他に気になる作戦というと……そうだねえ。
さっきの手順は左辺の玉形整備を優先してるから、2筋の歩交換が出来てなかったよね。
ウサミンに習って居玉のままそっちを優先して、2筋の歩交換+▲7七角型を目指してみるとか。それが実現出来たら、後手としては厄介だと思うよ。
つまり……。
ここの局面から
▲2六歩 △3一玉 ▲2五歩△8五歩 ▲7七角
こうするわけだね。
ただ、これはこれで心配なことがあって……。
△7四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛△7五歩
今度は先手が角頭を狙われるかもしれない……と。
棋は対話なりっていうけど、思い通りにはいかないものだよね~
だからこそ、面白いんだけどね!
▲6七銀 △7六歩 ▲同 銀 △2三歩 ▲2五飛
これまた難解だけど気になるところだね。
この局面が先手良しってなれば対居角左美濃が結構楽になりそうだし。
好みによってはこっちを調べてみるのもありかもしれないね!
以上!
ここで紹介したのは膨大な変化のごく一部だから、何度も言うようだけど、気になる人は自分で調べてみるといいよ!
と、いうわけで、私は早速、調べた作戦をしぶりんにぶつけてくるよ!
それじゃ、またね~!
【本田未央】
・追記 6/24
この時から指し方が変わってる部分もあるから、こっちの記事にも目を通しておくといいかもね!